吉敷地域の防災

平成28年度吉敷地区防災会前段図上訓練に参加して

2016/9/27

平成28年度吉敷地区防災会前段図上訓練に参加して

 

 平成28年8月29日(月)13:00~15:30に,吉敷地域交流センターで,吉敷地区防災会の「前段図上訓練」を実施いたしました。吉敷地区防災会は,災害時に吉敷地区住民の安全を確保する目的で,昨dsc_0004年12月17日(木)に設立されております。この訓練は,吉敷地区防災会の第一回目となる主要な行事です。この「前段図上訓練」は,地震や豪雨などの災害時に,鳳翩山系南域に広がる吉敷地区の河川,溜池,地溝などの自然条件を確認し,地域内の水路で大雨時に氾濫を起こしやすい箇所や,崖崩れなどによる土砂災害危険箇所を明らかにして,実際に居住している人の立場で,ハザードマップを作成することを目的として行いました。

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 この訓練は,吉敷地区防災検討委員,吉敷地区防災会会員および吉敷地区防災連絡員が,それぞれの居住地域によって,第1グループ(赤田,緑ヶ丘,中尾西,中尾東上,中尾東下,吉敷畑),第2グループ(佐畑),第3グループ(中村,木崎,木崎団地),第4グループ(下東,大橋町,京面団地),第5グループ(上東,稲葉町,上東住宅団地)に分かれて行いました。また,この訓練に,『山口防災教室ぴぴっと!』のメンバーである山口大学工学部の学生の方が2名参加してくださいました。

 

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 訓練では,最初に,吉敷地区防災会本部長の土肥さんが,作業要領全般の方針を説明されました。その方針に従って,参加者は,各地区の地図を囲み,グループ内で,地形などの自然条件,構造物などの状況,大雨が降ったときの浸水地域などの情報交換を行いました。崖崩れや,倒壊しそうな塀がある場所については,透明ビニールシートにくるまれた地図の上に,赤丸ラベルでしるしをつけました。大雨の降雨時にしばしば洪水となっている地帯については,青丸ラベルで地図上にマークしました。災害時に一時避難をする,広場,公園,神社,ビルを洗い出し,地図上のそれらの場所に緑丸ラベルを貼り付けました。最終避難をする避難所や病院の場所には,黄丸ラベルを貼り,その場所に移動するための安全な経路を示すために,経路に沿って,地図上に黄色のテープを貼りました。また,被災直後に,倒壊家屋の中に閉じ込められている人の救助作業を行うときに有効である,重機などの資機材と,それらを操作できる人的資源を持つ工務店や,非常時に,食料等の援助をお願いできるスーdsc_0046rパーなどの位置にも,黄丸ラベルでしるしをつけました。

 どのグループでも白熱した議論が繰り広げられ,ハザードマップ作成も順調に進行して行きました。作業開始から1時間あまり経過するとハザードマップは完成し,発表の準備をする段階となりました。

 各グループの発表担当者は,それぞれ担当地域の防災上の問題点を指摘され,地域内の避難場所をいくつか示されました。災害時に,それら避難場所へ安全に通行できる経路を紹介され,併せて地区内の病院,スーパー,工務店などの復興への有力な施設等の所在について明らかにされました。

 各グループの発表後に,吉敷地区防災会本部長の土肥さんから,以下のように図上訓練の成果の要約が話されました。dsc_0051

1.吉敷地区は,北高南低の扇状地という地形上の特徴があり,川の氾濫する危険性がある。

2.吉敷川上流や,山沿いの地域で崖崩れの危険性がある。

3.吉敷地区南部で洪水による浸水被害の危険性がある。

4.吉敷地域交流センター,良城小学校,鴻南中学校,吉敷幼稚園に加え,山口県山口健康福祉センター,新生佛教団,ダイワハウス,ゴルフ場などの建物が避難場所として有効である。

5.災害時には『医』,『食』,『住』,『資』,が重要である。このうち『住』については,水害時には高層のビルが安全な避難場所となる。『資』については,重機や資材を保有している工務店等が復興への有力な助けとなる。

6.吉敷地区の各自治会・町内会単位の自主防災会を立ち上げることが重要である。

7.自主防災会と県や市などの連携が重要である。

8.地区内で防災士を多数養成することが急務である。

9.今回の5つのグループで集められた情報を,山口県や山口市によって作成されたハザードマップに統合して,より実効性のあるハザードマップを作成する予定である。

10.来年度は,今回の成果を基に,実際に体を動かして避難訓練を行う,実動訓練の実現に向け,そのイメージトレーニングとなる実動図上訓練や避難準備情報対応訓練などを行う予定である。

 

 今回はこの図上訓練のみを実施しましたが,平成29年度には実動図上訓練と避難準備情報対応訓練を行い,平成30年度の避難勧告対応訓練,平成31年度の避難指示対応訓練へと段階的にレベルを上げて行く予定にしております。そのためには,災害時に,実際に支援活動できるスタッフを,吉敷地区防災会や各自治会・町内会の自主防災会に,できるだけ多く結集しなければなりません。現状では,各自治会・町内会との連絡員までしか人的手当てができていません。この点の改善が今後の大きな課題となっています。

                        防災広報委員 右田耕人

問合わせ
吉敷地区防災検討委員会・吉敷地区防災会
TEL(083)922-3344
(吉敷地区地域づくり協議会内)

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